社内の備品- 貸与物管理がうまく回らない理由ー人事- 総務が知っておきたい「管理の仕組み」ー
PC、スマートフォン、制服、名刺、ICカード。
会社には「社員に貸し出すもの」が意外と多くあります。
これらは人事や総務が管理していることが多いですが、現場ではこんな声をよく聞きます。
- 誰が何を持っているのか分からない
- 退職者の備品回収が漏れる
- 台帳が更新されていない
- 担当者しか状況が分からない
実はこれは珍しい話ではありません。備品管理は「簡単そうで、実は崩れやすい業務」です。この記事では、人事- 総務の現場で起きやすい備品管理の問題を整理しながら、無理なく管理を回すための仕組みを解説します。教科書的な管理論ではなく、現場で実際に起きやすいケースをベースに紹介します。
備品管理とは何か(前提整理)
備品管理とは、会社が所有する物品の所在と利用状況を管理する業務です。人事- 総務が扱うことが多い備品は主に次のようなものです。
1. よくある貸与物
- ノートPC
- スマートフォン
- タブレット
- 社員証
- ICカード
- 制服
- 工具
- 社用車キー
- 社用Wi-Fiルーター
これらは「資産管理」と呼ばれることもありますが、人事の現場ではそこまで大げさな管理をしていないケースも多いです。多くの企業では次のような方法で管理されています。
2. よくある管理方法
- Excel台帳
- スプレッドシート
- 紙の貸出表
- 担当者の記憶
一見シンプルですが、この方法にはある問題があります。それは時間が経つほど崩れやすいことです。
現場でよく起きる課題
人事- 総務の現場では、備品管理で次のようなトラブルがよく起きます。
1. 台帳が更新されない
Excel台帳はあるが更新されない。理由は単純です。
- 忙しい
- 誰でも更新できる
- 更新ルールがない
結果として、台帳と現実が一致しなくなります。
2. 誰が何を持っているか分からない
よくあるのがこの状態です。例えばPC管理。台帳では「PC001 営業部」と書かれている。
しかし実際は
- 退職者が使っていた
- 別部署に貸している
- 修理に出している
このような状態になっていることがあります。
3. 退職時の回収漏れ
退職時はやることが多いです。
- アカウント削除
- 保険手続き
- 離職票
- 貸与物回収
その結果、備品回収が抜けることがあります。
特に多いのは次です。
- 社員証
- ICカード
- 小型機器
4. 担当者しか分からない
これはかなり多い問題です。備品管理は総務の担当者1人で回していることが多いです。
その結果
- 台帳のルールが不明
- 保管場所が分からない
- 貸出ルールが不明
となります。担当者が異動すると、一気に混乱します。
なぜその課題が起きるのか(構造的な理由)
備品管理が崩れる理由は「担当者の努力不足」ではありません。構造的な理由があります。主な原因は次の3つです。
1. 管理の入口が曖昧
備品管理は最初の登録が曖昧になりやすいです。例えばPC購入。本来は、購入→管理番号付与→台帳登録という流れが必要です。しかし現場では、購入→すぐ配布という流れになります。この時点で台帳に載らない備品が生まれます。
2. 貸出の記録が残らない
備品は頻繁に移動します。
- 部署間の貸し借り
- 短期貸出
- 修理
しかし、その都度台帳を更新する人は少ないです。結果として履歴が消えていきます。
③ 退職プロセスと連携していない
退職手続きと備品管理が分断されていることも多いです。
例えば
人事 → 退職処理
総務 → 備品回収
このように部署が分かれている場合です。チェックリストがなければ回収漏れが発生します。
業務を楽にする考え方
備品管理を改善する時、いきなりツール導入を考える企業も多いです。しかしその前に整理したい考え方があります。それは「全部を完璧に管理しようとしない」ということです。現場で続く方法は次のステップです。
Step1 管理対象を決める
まずは重要な備品だけを管理します。
例
- PC
- スマートフォン
- 社員証
小さな備品まで最初から管理する必要はありません。
Step2 現状を洗い出す
次にやることは現状把握です。
例えば
- 今ある備品一覧
- 誰が持っているか
- 台帳に載っているか
この時点でかなりズレが見つかります。
Step3 管理ルールを決める
最低限決めたいのは次です。
- 備品番号
- 貸出記録
- 返却記録
- 保管場所
シンプルで構いません。大事なのは誰でも分かるルールにすることです。
具体的な管理方法- 運用例
ここからは実際の運用イメージを紹介します。現場で比較的うまく回る流れです。
1. まず備品を洗い出す
最初にやることは備品の棚卸しです。
例えば
| 備品 | 数 |
| ノートPC | 25 |
| スマホ | 18 |
| タブレット | 6 |
この時
- 所在不明
- 担当者不明
というものも出てきます。それもそのまま記録します。
2. 管理番号をつける
次に管理番号をつけます。
例
- PC-001
- PC-002
- SP-001
番号をつけるだけで管理がかなり楽になります。
3. 台帳に登録する
最低限必要な項目は次です。
- 管理番号
- 備品名
- 利用者
- 部署
- 貸出日
最初はスプレッドシートでも十分です。
4. 少しずつ登録数を増やす
ここが重要です。最初から完璧な台帳を作ろうとすると
途中で止まります。おすすめは重要な備品 → 徐々に追加
という方法です。
例えば
- 1ヶ月目:PCだけ登録
- 2ヶ月目:スマホ追加
- 3ヶ月目:タブレット追加
この方法だと運用が定着しやすくなります。
この方法の限界
ただし、Excelやスプレッドシートには限界があります。特に次の点です。
1. 更新が面倒
貸出のたびに台帳更新が必要です。忙しいと後回しになります。
2. 現物確認が大変
棚卸しの時は
- 台帳
- 現物
を照合する必要があります。数が増えるほど手間が増えます。
3. 貸出履歴が追いにくい
Excelは履歴管理が弱いです。誰がいつ使っていたのか追いにくくなります。
管理を仕組みにする方法
備品管理を安定させるには人の記憶ではなく仕組みで管理する
ことが重要です。その方法の1つが備品管理システムです。例えば カシカン のようなツールです。
こうしたツールでは
- 備品登録
- 貸出管理
- QRコード管理
- 履歴管理
などをまとめて管理できます。特に便利なのがQRコード管理です。備品にQRコードを貼り、スマホで読み取るだけで貸出- 返却- 確認ができます。
まとめ
備品管理がうまくいかない理由は担当者の問題ではありません。多くの場合は管理の仕組みがないことが原因です。現場で実践しやすい流れは次です。
- 備品を洗い出す
- 管理番号をつける
- 台帳に登録する
- 少しずつ管理対象を増やす
この方法だけでも管理はかなり安定します。ただし備品数が増えてくるとExcel管理では限界も出てきます。その場合はカシカンのような備品管理ツールを使い、
- 貸出管理
- 履歴管理
- QR管理
を仕組み化することで人事や総務の負担を大きく減らすことができます。備品管理は目立たない業務です。しかし、会社の運営を支える大切な仕事でもあります。無理なく続く仕組みを作ることが長く安定した管理につながります。カシカンのより詳しい機能にご興味がある方はぜひ、カシカンの公式サイトやカシカン使い方ブログをご覧ください。

