はじめに
近年、地震、水害、豪雨といった自然災害のリスクが高まる中、企業や事業者には、従業員の安全確保と事業継続(BCP:Business Continuity Plan)を目的とした防災備蓄品の整備が不可欠です。しかし、実際に数年分の食料や資器材を備蓄し、それを維持していく過程で、多くの管理上の課題に直面します。本記事では、企業の防災備蓄品管理における具体的な課題と、世界的な要請であるフードロス削減の取り組みを両掘り下げつつ、平時の物品管理業務の負担を軽減し、万が一の際に備蓄品を確実に活用するためのシンプルなデジタルソリューションをご紹介します。
企業の備蓄義務と、見過ごされがちな管理の複雑性
大規模地震等が発生した場合、企業や事業者(保育園などの公共施設の管理者を含む)は、従業員や来場者の安全を確保し、地震発生時に迅速かつ的確に応急処置を講じるために、資器材の備蓄と防災訓練の実施が求められます。具体的には、自家発電機とその燃料、携帯トイレ、毛布、テント、ラジオ、乾電池、衛生用品(トイレットペーパー等)、飲料水および食料(最低3日間、推奨1週間分以上)などが備蓄品として例示されています。
企業の備蓄品管理に特有の課題
1. 品質・機能維持の確認の困難さ
物品は「良好な状態で常に使用又は処分をすることができるよう適切に管理」される必要がありますが、長期間保管されていると、故障した発電機や電圧低下が懸念されるバッテリーボックスなどが放置される恐れがあります。特に発電機やライト類など燃料や乾電池で稼働する機材については、燃料等が機材と一体的に備蓄されていない場合、緊急時に迅速に稼働させることが困難になります。
2. 期限切れによる廃棄コストの発生
非常食や保存水などの防災備蓄食料には、3~7年といった長期の賞味期限が設定されていますが、幸いにも使用せずに期限が切れてしまうと、単純に廃棄することが一般的です。賞味期限が過ぎた食品を大量に廃棄する場合は、産業廃棄物として専門業者に依頼する必要があり、これには廃棄費用が発生します。
SDGs時代の備蓄品運用と自治体の動向
企業の備蓄品管理は、単に在庫数を把握するだけでなく、世界的なフードロス削減の取り組みと密接に関連しています。たとえば、賞味期限切れを防ぐために「ローリングストック」の実施や、余剰食品の「寄付」を通じた有効活用が求められます。実際、世界では毎年13億トン、日本では年間612万トンもの食品が廃棄されており、この現状は深刻な課題を浮き彫りにしています。また、不測の事態に備えた防災備蓄食料の廃棄問題についても、多くの企業が課題意識を高めています。こうした背景から、企業は以下の取り組みを検討することが推奨されます。
1. 社員への配布(ローリングストック)
賞味期限が残っている備蓄食品を、平常時に社員に配布する方法です。社員は備蓄食品を試食することで、使用方法や味を事前に知ることができ、不測の事態への心構えができます。また、試食の感想をアンケート集計すれば、次の購入時の参考情報にもなります。
2. フードバンクへの寄付
賞味期限内の食品は、フードバンクを通じて必要な組織や家庭へ提供することで、フードロス削減と社会貢献につながります。ただし、賞味期限切れの食品は、フードバンクでは一般的に受け付けてもらえないため、期限内の段階で活用策を検討することが重要です。
デジタル技術による備蓄管理の高度化
行政機関でも、大量の備蓄品管理を効率化するためにシステム導入が進んでいます。
- バーコード・QRコード管理の活用:枚方市では、大規模災害時に物資提供の迅速化と平時の管理最適化を目指し、バーコードをスマートフォンのカメラで読み込むことで、備蓄倉庫内で物資台帳の更新が可能なクラウド型の災害備蓄品管理システムを導入しました。
- 期限管理の自動化:システムによっては、賞味期限が切れる前にアラートメールが自動通知される機能があり、これにより期限切れによる大量廃棄を未然に防止しやすくなります。
BCP資器材の貸出からフードロス対策まで。カシカンが提供するシンプル管理
備蓄品管理をデジタル化する際、本格的な資産管理システムは高額になりがちで、導入に初期費用や開発コストがかかる場合があります。また、PowerApps(パワーアップス)のように独自の業務フローに合わせてカスタマイズできるツールもありますが、特定のスキルを持つスタッフが必要で、機能を作り込むのに時間がかかるという課題もあります。もし、あなたが「すぐに使えるシンプルで安価なシステムを導入したい」「特定の社員しか使えない専門的なツールは避けたい」という課題をお持ちであれば、貸出管理に特化したクラウドサービス「カシカン」をおすすめします。カシカンは、備蓄品の「貸し出し」と「所在確認」に特化しており、企業のBCP資器材の効率的な運用を可能にします。
1. QRコードとリマインダーで所在管理を徹底
カシカンは、QRコードを活用した物品管理に対応しています。
- 即座の予約・貸出:発電機やデモ機材、訓練用テントなど、訓練やイベントで持ち出す物品にQRコードを貼り付けておけば、スマートフォンのカメラで読み取るだけで、即座に貸出予約手続きに移れます。これにより、「誰がいつ何を借りたか」という貸出状況をリアルタイムで把握でき、所在不明のリスクを低減できます。
- 返却遅延の自動通知:返却予定日の前日や当日に、利用者に対して自動で通知が送られるリマインダー機能が搭載されています。延滞時に通知を行う機能もあり、高額なBCP資器材の返却忘れを防ぎ、管理者の負担を軽減します。
2. 食料品の期限管理にも応用可能
カシカンは書籍登録に特化した機能を持っていますが、その機能の一部は期限管理にも応用できます。
- ハッシュタグ・タグによる管理:物品を「食料品」「水」「発電機」などのジャンルやテーマで分けて管理できるハッシュタグ機能があります。
- 物品の詳細情報登録:食料品の品目登録時に、名前や説明文の欄に賞味期限を記載し、検索機能(名前や説明文、タグなどで検索可能)を活用することで、期限間近の物品を抽出しやすくなります。
- データのエクスポート:貸出予約や履歴のCSV出力が可能であり、在庫データのバックアップや利用状況の分析を行うことも可能です。
3. 低コストで、誰でもすぐに導入・運用が可能
カシカンは、無料から利用できます。本格的な物品管理システムでは初期費用がかかる場合がありますが、カシカンは低コストで導入が可能です。料金は基本的に「1法人(グループ管理者)当たり」で発生するため、費用を抑えやすいという特徴があります。操作性が優れている点もカシカンの強みであり、ユーザーにとって分かりやすい画面設計になっているため、スタッフへの教育コストを減らせることが期待できます。システム開発に強い部門がない企業でも、すぐに運用を開始できます。企業における防災備蓄品管理は、BCPの基盤であり、フードロス削減といった社会的責任を果たす上でも重要です。カシカンを活用して、平時の管理業務を効率化し、有事の際に備蓄品を最大限に活用できる体制を構築してみてはいかがでしょうか。
まとめ
カシカンは、企業が保有する多岐にわたる備蓄品にとって、まるで「スマートな貸出台帳」のようなものです。この台帳は、誰が何を借りたかだけでなく、期限や所在までを自動で追跡し、利用者に優しくリマインドしてくれるため、管理者は手間なく「備え」の質を維持できます。
カシカンのより詳しい機能にご興味がある方はぜひ、カシカンの公式サイトやカシカン使い方ブログをご覧ください。

