導入:教科専門の備品管理は「物的管理」の最重要課題
理科室の劇物や体育の用具など、教科特有の専門備品の管理は、単なる事務作業ではなく、安全性、所在確認、法令順守といった観点から専門的な対応が不可欠であり、教職員の負担軽減と事故防止のためにもデジタルツールによる効率化が求められています。
学校運営に必要な業務全般を包括的に示す「校務」は、「教育内容の管理」「人的管理」「物的管理」「運営管理」に大別されますが、備品管理は特に「物的管理」の重要な要素です。教科指導で使用する物品は、その性質上、高価であり、危険を伴うもの、または厳格な所在管理が必要なものが多く含まれます。これらの特殊な備品管理を従来の非効率な方法で継続することは、教職員の時間を奪うだけでなく、重大な事故や無駄な支出のリスクを高めてしまいます。本来、生徒指導や教材研究に充てるべき時間を確保するためにも、物品管理の業務改善は急務です。
理科室の備品管理:安全と法令順守が最優先
理科室の薬品管理においては、毒物及び劇物取締法や消防法などの法令順守が求められ、特に劇物や危険物を扱う際には、保管場所の施錠、性質に応じた分類管理、使用記録の厳格な記録が必要です。
理科の実験で使用される薬品は、その多くが「劇物」や「危険物」に該当する可能性があります。これらの薬品は、取扱い方を誤ると重大な事故や健康被害を招くおそれがあるため、学校薬剤師の指導・助言を受けつつ、校長を管理責任者として厳格に管理体制を整えなければなりません。
薬品の安全な保管と分類
薬品庫の管理において、特に注意すべき点は以下の通りです。
- 法令順守: 毒物及び劇物取締法や消防法などの法令に従い、厳正に管理する必要があります。
- 施錠管理: 薬品庫は必ず施錠し、盗難や紛失を防ぐ必要があります。
- 分類と隔離: 薬品は、酸とアルカリのように化学的性質が相対するものを同じ場所に保管すると、地震などで容器が破損し混合した場合に火災につながる危険があるため、区分けして保管しなければなりません。
- 災害対策: 地震による薬品瓶の転倒・破損を防ぐ対策(L字フックによる固定など)や、漏出防止策として薬品の下にトレイを置くなどの措置も重要です。また、容器や保管場所には「医薬用外劇物」などの適切な表示が必要です。
管理台帳による運用と点検
薬品の「使用」と「在庫」の状況を正確に把握することは、事故防止や紛失・盗難に迅速に対応する上で不可欠です。
- 記録の徹底: 薬品の記録は「薬品台帳」として保管し、使用する度に使用者や使用量、残量を記録する必要があります。
- 管理簿の項目: 薬品管理簿には、管理番号、薬品名、購入年月日、取扱区分、残量などを記入します。
- 効率的な運用: 台帳をカード式にし、薬品1容器につき1枚用意すると、新規購入や廃棄の手続きが楽になり、在庫整理もしやすくなります。また、薬品の質量を容器ごと計量して記録しておくと、使用量を引き算で簡単に把握できるため効率的です。
体育・部活動の備品管理:安全点検と長期的視点
体育や部活動で使用する用具や施設の管理においては、生徒の安全確保が最優先であり、顧問と生徒が協力して行う施設の安全点検と、指導者による科学的根拠に基づいた合理的指導が求められます。
部活動は学校教育活動の一環として、生徒の豊かな教養と幅広い人間性の育成をめざして行われますが、その基盤となるのが安全・安心な活動環境です。
施設・用具の安全管理
部活動や体育の授業で利用する用具や施設は、事故を未然に防ぐための対物管理が重要です。
- 共同点検: 顧問(指導者)は生徒とともに施設・設備の安全確認を行い、施設・設備・備品・用具等について定期的に安全点検を実施しなければなりません。
- 業務の効率化: 備品管理や機器点検は、教員が本来の教育活動に集中するため、教員以外でも担える業務として外部化や効率化が検討されている業務です。
音楽室・視聴覚室の備品管理:高価な共有資産の「所在」の確保
音楽室や視聴覚室で使用される楽器や高価なICT機材は、学校の貴重な資産(備品)であり、その貸出・返却の状況、そして現在の「所在」をリアルタイムで正確に把握することが、紛失や無駄な買い替えを防ぐ上で重要です。
学校で扱う備品は、一般的に長期間(おおむね3年以上)の使用に耐え、取得価格が一定額以上の物品を指します。音楽室の楽器、視聴覚室のプロジェクターや音響機材などはこれに該当し、適切な管理が必要です。
従来の管理方法の限界
これらの共有備品を管理するために、多くの学校で使われてきたのが紙の台帳や表計算ソフトウェア(Excel等)です。しかし、この方法には以下のような多くの課題が存在します。
- 手作業の負担: 物品管理番号、物品の名称、保管場所、物品の状態(使用中、故障、修理中など)、使用者、返却予定日など、多数の項目を手入力で登録・更新する作業は、管理対象の物品数が多いほど膨大になります。
- エラーとコストリスク: 手入力による入力ミスや更新漏れにより、管理台帳の正確性が損なわれ、使用可能な物品があるにもかかわらず新しい物品を購入してしまうなど、誤った判断のリスクが生じます。
- リアルタイム共有の欠如: Excelなどのファイルは複数の利用者が同時にアクセスして更新することが困難なため、リアルタイムのデータ共有ができません。その結果、「今、誰が何を借りているか分からない」という状態になり、迅速な意思決定が妨げられます。
- 属人化: 更新作業が特定の人物に依存しがちで属人化を招き、担当者が不在になると情報へのアクセスが困難になるブラックボックス化が生じ、業務効率が低下します。
解決策:煩雑な専門備品管理業務をシンプルに
教科指導で使用する専門性の高い備品、特に安全管理や所在確認が求められる物品については、その貸出・返却・在庫の状況をデジタル化し、教職員間で容易に共有できる仕組みが必要です。
カシカンは、貸出管理に特化したクラウドサービスです。
- 物品情報のデジタル化: ExcelやCSV形式のファイルデータからの一括登録機能を利用すれば、理科の薬品台帳や体育用具リストの情報を簡単に取り込むことができます。
- 所在確認の簡素化: 備品にQRコードを貼り付けておけば、スマートフォンでスキャンするだけで即座に貸出や予約の手続きが行えます。これにより、誰が何を借りているかをリアルタイムで確認でき、「物品探しのストレス」が解消されます。
- 返却漏れの防止: リマインダー機能により、返却予定日前に利用者へ自動で通知が送られ、管理担当者が催促する手間を大幅に軽減できます。
- 整理と検索の容易さ: ハッシュタグ機能を使って備品をジャンルやテーマごとに分類しておけば、高価な視聴覚機材なども簡単に探し出すことができます。
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